公開日 2022年12月18日 最終更新日 2023年3月23日
YOASOBI「海のまにまに」の歌詞の意味については、どのような内容なのかを深く知っておきたいですね。朗読劇化についても興味深いです。
では今回はYOASOBI「海のまにまに」の歌詞の意味と、曲に込められたメッセージについて、詳しくお伝えしていきましょう。
「海のまにまに」は、4名の直木賞作家が「はじめて○○したときに読む物語」をテーマに小説を書き下ろすコラボ・プロジェクト「はじめての」の第3弾です。
辻村深月「ユーレイ」はじめて家出したときに読む物語が、原作になっています。家出をして海沿いの駅で降り立った主人公。たどり着いた夜の海で不思議な少女に声をかけられて、物語は神秘的な一夜に進んでいくことに。
家出をした主人公の心境の変化、そして原作の夜の不思議な世界観がサウンドでも表現されています。
「夜のまにまに」の歌詞の意味について
まるで夜の合間をぬうように、電車は走っていくのです。この中で過ぎていく景色をひとりで座って見ているのでしょう。
昼下がりの陽射しは、美しくオレンジ色に染まっています。でも藍色の空に、まるで押し潰されていくように感じるのでしょう。
まるで最後の光りを惜しむように目で追いかけたのは、今日でさようならという思いがあるから。
明日を捨てよう、このために逃避行をしたのです。片道切符しかない、だから行けるところまで行くしかないのです。居場所がない、その自分をこのまま夜の中に置いていってほしい。
窓から見えた景色は暗闇になっているのです。気づいたのは、あれが夜の海だということ。無意識に手を引かれるような形で、海辺の町で電車から降りたのです。
波の音を感じながら、導かれるような形で歩いていくのでしょう。誰かに呼ばれているように思い、この時に海のほとりに近づくのです。
でも自分しかいない、だから自分の体をいっそこの場所にという気持ちも。でもこう考えていた自分の前に突然現れた存在。
月明りの下に白い肌、そして白いワンピースが印象的です。ここで何をしているのかと尋ねてきたその人物。
自分は言葉に詰まりながら、海を見にきたことだけを伝えたのでしょう。その人は少し古い花火のセットを取り出したのです。
ここで気付いたのはコンクリートの上で相手が裸足だということ。今日で全てを終わりにすると決めたので、きっと自分があの世界に近づいたことにより視えたり出会ったりしたように感じたのでしょう。
二人で花火の封を切ったのです。なかなか点くことがない花火に火を近づけて、こちらがここに来た理由を相手が当ててみせたのです。
そして真剣な表情や眼差しにて、何度もやめるように言ってくれたのです。でも…という思いを持つ中、手の先に光が弾けたのです。花火が点いたことを、二人で声を揃えて叫んだのでしょう。
とても美しく輝く花火。そして鋭い音が心にも響くのです。ゆっくりと眺めずにすぐに消えていく輝きがあるのです。
これに対してもったいないように思い、最後の一瞬まで追いかけたのでしょう。これはまるで電車の窓から太陽を惜しんだ時と同じ。やっぱり違う方向に進もう…という思いを持ち始めたのでしょう。
もし夜明けになったら、その人はどこかに行ってしまうのでしょうか。夜が過ぎて、朝の光で目を覚ましたのです。隣を見ると、まるで当然のように眠るその人物の姿があったのです。
物語はここから更に続いていく
とても穏やかで優しくストーリーを語っているかのような、歌唱だと感じます。そして自分の中で決意をした思い、この中で迷いや悩みを感じながら行動をしたのでしょう。
でも思いがけぬ出会いがあったのです。ひとつの出会いにより、人生が思っていた方向とは違う方に向かうこともありますよね。
この曲についても、ある人物との出会いにより今までとは違う方向に進もうと思えるようになれた可能性があります。
そしてこのことに対して、いつしか感謝したり懐かしく思ったりする時もくるのでしょう。これからもこの曲の中の物語は続いていく、このように思うと小説に対しても更に興味深く感じますよね。
☆こちらの曲も聴いてみてくださいね!