ソフトバンクの千賀投手は、今や日本を代表するエースの一人です。「育成の星」などと呼ばれ、プロ野球選手を目指す野球少年にとっても、目標としたくなる憧れの存在でしょう。
2020年11月21日から始まる日本シリーズ。ジャイアンツの菅野投手との絶対エースの投げ合いが楽しみですね。ソフトバンクホークスのエース千賀投手について紐解いてみましょう。
無名の選手だった学生時代
千賀滉大(せんがこうだい)は、1993年1月30日生まれの27歳、愛知県の三河湾に面した蒲郡市の出身です。身長187cm・体重90kg・右投げ左打ち。
中学時代まで、軟式野球で主に内野手でした。強豪校がひしめく愛知県ですが、野球名門校ではなく、部員がようやく集まるほどの地元の県立高校に進学します。
高校入学時に試しに投球したボールが、他の選手より良かったためピッチャーに転向。当初120 km/hほどの球速でしたが、コツコツと努力を重ね成長を見せ、140 km/h台まで出せるようになりました。
最速144km/hを記録しますが、高校時代はほとんど無名であまり注目されていなかったのです。地元スポーツ店の経営者が、「すばらしい素質の投手で将来面白い存在」と千賀をソフトバンクのスカウトに紹介したことで、人生が大きく変わりました。
育成選手から日本を代表する選手に
2010年秋のドラフト会議で、千賀投手は支配下選手では指名されませんでしたが、育成選手としてソフトバンクから4巡目に指名されました。
この時、甲斐捕手がソフトバンクの最後の指名、育成6巡目なのです。甲斐キャノンと言われる強肩が有名で、正捕手の座を掴んでいます。
昨年までの10年間で日本一に6回も輝く常勝軍団の黄金バッテリーが、育成選手の中でも下位指名から成功を収めたストーリーは、まるでマンガの世界のようです。
千賀投手は2016年から飛躍的に成長を遂げ、魔球のような「お化けフォーク」が代名詞で、約160km/hの剛速球も投げます。2017年のWBCでは、メジャー選手をきりきり舞いにしました。今ではメジャーも注目する右腕です。
2020年は投手3冠のタイトルを手にしました。千賀投手の才能を見出したスポーツ店経営者の目利き、スカウティング力にも驚きですね。
公式サイト:https://www.softbankhawks.co.jp/team/player/detail/2020_41.html
メジャー挑戦はいつ?
注目されるのが、いつメジャーに挑戦するのかでしょう。本人はポスティング制度での移籍も、以前から希望しているようです。世界一の球団を目指すソフトバンクホークスなので、日本一の投手を手放したくないのも分かります。
ファンとしては、本人の希望を叶えてあげたい気持ちもあり、東京オリンピックで投げてほしいという思いもあるでしょう。ダルビッシュ有投手との交流も深いので、近い将来メジャー挑戦が実現するのではないでしょうか。
順調に行けば2年後に海外FA権が取得可能なので、それまで待つのかもしれません。今年はメジャーで、ダルビッシュ有と前田健太が大活躍しました。野茂英雄以来、日本人選手がメジャーで活躍する姿は誇らしくて、応援したくなりますね。