ブラタモリの視聴率は、常に高水準を安定して保っています。知的なタモリさんの魅力が存分に発揮されているからこそ、人気があり成り立っているとも言える、少しマニアックな企画の街歩き番組です。奇跡的とも評されるブラタモリの魅力に迫ってみましょう。
ブラタモリとは
「ブラタモリ」とは、NHK総合で毎週土曜19:30~20:15に放送されている人気番組です。お笑いビッグ3のひとりと言われるタモリさんが、街をブラブラ歩くという企画ですが、単にブラ歩きするのではない知的なところが、ブラタモリの特徴です。
番組を通じて、日本各地がいろいろな視点で紹介され、今まで知らなかった見方や魅力が楽しめます。2008年から始まり、東京近辺を中心に断続的に放送されていましたが、2015年4月から全国各地を紹介するレギュラー番組として復活しました。
31年間の長期にわたってお昼の顔であった「森田一義アワー笑っていいとも!」(フジテレビ系列)が2014年に終了したこともあり、全国各地をターゲットにできる番組作りが可能になったのです。
同局の「鶴瓶の家族に乾杯」とのコラボした企画もお正月の恒例で、タモリさんと鶴瓶さんの絶妙なトークも毎年楽しみですね。
ブラタモリの魅力
ブラタモリの魅力について紹介しましょう。タモリさんの多趣味と上手く融合した番組です。ユーモアも交えつつ、自然な雰囲気でタモリさんが楽しんでいる姿や、案内人の専門家も驚くような知識の豊かさ、着眼点の面白さがブラタモリの魅力でしょう。
街の成り立ちなどの歴史学や文化的要素、地層や鉱物などの地質学や地形・坂道などの地理学・火山学など、様々な学問の要素をミックスした街歩きが、ブラタモリの独自性です。
スタッフの足を使った事前調査や準備に数カ月掛ける努力、その反面タモリさんと女性アナウンサーには一切詳細を伝えず、当日の新鮮な反応や感想が台本でなくアドリブであるところも魅力です。
学者や専門家が奇跡の番組と評価
学者や専門家が、奇跡の番組と評価する声が多いのです。専門的な内容もあり堅苦しくなりがちですが、教育番組的にならずバラエティ番組の色を残しつつ、誰にでもわかりやすく興味深い知的な番組作りのバランスの良さは、奇跡的とも評価されています。
番組に対して、各学会の注目の高さを一部紹介しましょう。国土地理院から地理や地学・地形への関心を高めた功績として感謝状が贈られ、日本地質学会からは地質学普及に貢献、地盤工学会からはイメージ向上に貢献として表彰など。
日本地球惑星科学連合大会では、「ブラタモリの探究・つたわる科学のつくりかた」というセッションテーマになるほどの注目度です。
女性アナウンサーがブラタモリでステップアップ
女性アナウンサーがブラタモリを経て、ステップアップする姿を見るのも魅力のひとつです。以前担当した桑子真帆さんや近江友里恵さんも、人気アナウンサーとして活躍中。
2020年3月に林田理沙さんが番組を卒業、4月から浅野里香さんにバトンタッチします。3月14日放送の「島原・天草〜なぜキリシタンは250年も潜伏できた?〜」では、最後の林田理沙さんに、「ご出世なさいませ」とタモリさんからエールが送られていました。
タモリさんがいつまでも元気で、長く続いてほしい魅力的な番組です。