田中希実が陸上競技の日本記録を、2020年に入って7月と8月に立て続けに塗り替え、日本陸上界期待の星となっています。1年延期になった東京オリンピック。
成長著しい田中希実が、今後も順調に結果を残していくとオリンピック出場の可能性は高く、活躍が期待されますね。田中希実について紹介いたしましょう。
2つの日本新記録を樹立
1つ目は7月の3,000m。これまでの日本記録は、福士加代子さんが2002年に記録した8分44秒40でした。2020年7月8日に開催されたホクレンディスタンスチャレンジ深川市大会。
3,000mで優勝した記録は8分41秒35、これまでの日本記録を約3秒破り、18年ぶりに日本記録を更新しました。2つ目は8月の1,500m。これまでの日本記録は、小林祐梨子さんが2006年に記録した4分07秒86でした。
2020年8月23日に開催されたセイコー・ゴールデングランプリ東京。1,500mで優勝した記録は4分05秒27、これまでの日本記録を2秒以上破り、14年ぶりに日本記録を更新。
しかもこの記録は、新しくなった国立競技場初の日本新記録でもあるのです。まさに歴史に名を刻んだと言えるでしょう。
日本陸連公式サイト:https://www.jaaf.or.jp/athletes/profile/nozomi_tanaka_/
次にターゲットとする記録は?
次の日本記録は、5,000mで狙っているのではないでしょうか。すでに5,000mはオリンピック参加標準記録を達成しているので、1,500mのオリンピック参加標準記録4分04秒20をターゲットにしているのかもしれません。あと1秒と少しです。
やってきている練習の過酷さが分かるほど鍛え上げられた、無駄が一切ない体つきで、目標を達成する意志の強さや覚悟を感じます。
レースはいつも積極的で、果敢に記録にチャレンジ。早めに仕掛けてペースアップし、ラスト1周のスパートはもの凄い速さで、気迫と根性も並外れているように感じます。
外国人選手とも対等に競い合える期待が持てる選手です。将来は距離を伸ばして10,000mやマラソンでも活躍してくれるのではないでしょうか。
サラブレッドも練習のたまもの
田中希実(たなかのぞみ)は、1999年9月4日生まれの21歳。兵庫県小野市の出身。駅伝の名門校・西脇工業高校で活躍後、同志社大学に進学します。
2019年には日本陸連アスレティックス・アワード新人賞を受賞。大学の陸上部ではなく、豊田自動織機TCに所属し、実業団チームとは別に個人をサポートするのです。父の指導で過酷な練習で鍛え上げています。
両親とも元陸上選手でした。同じ小野市の中学出身で1学年違いだったことが、知り合ってから分かり意気投合し結婚。父・健智さんは実業団で、3000m障害種目を専門に日本選手権にも出場。
1993年には福岡国際マラソンにも出場したエリートランナーです。母・千洋さんは、旧姓の小倉で1997年に北海道マラソンで優勝。
結婚し出産後の2003年にも、同大会にて2度目の優勝を飾った素晴らしい一流ランナーです。陸上界のサラブレッドとも言えますが、練習のたまものなのです。6歳下の妹は、姉と同じ高校の1年生。今後の田中姉妹の活躍に期待しましょう。