中村輪夢は、オリンピックで金メダル有力と期待されているBMX選手です。2020年6月9日、東京オリンピックの新種目であるBMXフリースタイル・パーク男子の代表内定に決定しました。
BMXとは何だろうと思っている人も多いのではないでしょうか。BMX、および中村輪夢について紹介しましょう。
BMXとはどんな競技
BMXとは「Bicycle Motocross」のことで、自転車競技の一種です。BMXには大きく分けて2種類あり、速さを競う「レース」と技を競う「フリースタイル」があります。
フリースタイルはさらに種目が分かれていて、その一つが「パーク」です。色々なジャンプ台で構成されたパークで、自転車でジャンプしながら様々な技を繰り出して、難易度や出来栄えを競います。
空中で回転、自転車やハンドルを回転、両手を離すなど、危険と隣り合わせで、メンタルも重要な要素です。
中村輪夢は自転車の申し子
2002年2月9日生まれの18歳。京都市右京区出身。名前の輪夢(リム)は、車輪の部品であるリムが由来で、車輪と五輪の夢を名前の漢字に込められた自転車の申し子です。
BMX選手である父の影響を受け、BMXに3歳から乗りこなし、5歳でジャンプ、小学高学年では同世代に敵なしで全て優勝。中学生になるとプロに転向しました。
国内だけでなく、海外でも好成績を収め続けます。自宅の近くにはBMX専用練習場が無く、片道3時間もかけて練習に通う親子の努力の賜物でした。
近年は1年の約半分を海外での試合や練習に費やし、経験を積み重ね、技を磨いたのです。2019年にはW杯最終戦で日本人初の優勝。年間総合ランキングでも1位に輝きました。
公式サイト:https://www.wingarc.com/company/rim-nakamura/
専用練習場でさらなる飛躍
京都の宇治市に中村輪夢専用のBMX練習場「WingPark1st」が、2020年1月に完成しました。自宅からも1時間程度で行けるようになり、いつでも練習に思う存分取り組めます。
この練習場がすごいのです。解析用のカメラ9台と、様々なセンサーを設置した世界初のハイテクパーク。データ化したパフォーマンスを解析して、さらなる技の習得や精度アップにつなげる強力な武器を得ました。
この世界一の練習設備を、一人の選手のために造ってしまう会社もすごいですね。2年前に中村輪夢と所属契約を結んだ会社「ウイングアーク1st」です。
企業向けのソフト開発やデータ分析などを手掛ける、IT企業ならではの最先端練習場といえるでしょう。16ものセクションを備えた世界水準の屋内練習場、ハイテクを駆使したデータ分析、専属のメンタルコーチなど、手厚いサポート体制の数々が、中村輪夢がどれだけすごいポテンシャルを秘めた選手かを物語っているようです。
まだまだ伸び代が十分ある18歳の若さ。1年延期となった東京オリンピックで、どのような成長を見せてくれるのか楽しみです。