加藤シゲアキが直木賞候補に選出されたというニュースが話題になっています。文学作品に馴染みがあまりないという人でも、芥川賞・直木賞という文学賞の名称は知っているということが多いでしょう。
直木賞候補のアイドル・加藤シゲアキについて紹介しましょう。
芥川賞と直木賞について
芥川龍之介賞と直木三十五賞の正式名称で1935年に創設され、1年に2回選出されています。作家としてデビューした人にとって、両賞の受賞は目標や夢であり、名誉の大きな証となります。
芥川賞は、純文学の短編や中編作品が対象で、新人賞的な登竜門としての要素があります。2015年にお笑い芸人の又吉直樹(ピース)が、「火花」で第153回芥川賞を受賞したことは大きな話題となり、社会現象になりましたね。
直木賞は、大衆小説のエンターテインメント作品が対象で、主に中堅作家が受賞するケースが多くなっています。第145回直木賞を受賞した池井戸潤の「下町ロケット」は、小説を原作として人気のヒットドラマになりました。
2020年下半期のノミネート
第164回の受賞候補作品が、2020年12月18日に日本文学振興会により発表されました。芥川賞に5作品、直木賞に6作品がノミネートされた中に、芸能界からの二人の名前が挙がり話題になっています。
芥川賞候補にはロックバンドメンバー尾崎世界観の「母影(おもかげ)」、直木賞候補にはジャニーズのNEWSメンバーである加藤シゲアキの「オルタネート」です。
尾崎世界観と加藤シゲアキの両名とも、又吉直樹に次ぐ芸能界からの受賞がなるか注目を集めています。最終選考は2021年1月20日の予定です。発表が楽しみですね。
アイドルと作家の両立
加藤シゲアキは1987年7月11日に広島で生まれ、大阪や横浜市で育ちました。小学6年生でジャニーズ事務所に入り、16歳の時にNEWSのメンバーとして、2003年にデビュー。
人気アイドルグループとして活動しながら、青山学院大学法学部を2010年に卒業しました。ジャニーズの中で自らの強みを活かした存在感を考え、執筆を始めます。
2011年に本名の加藤成亮から加藤シゲアキに活動名を変更し、小説家としての活動を表明しました。2012年1月に小説「ピンクとグレー」を発表すると、漫画化や映画化されるなど、その才能は高く評価され、その後も作品を生み出し続けています。
「閃光スクランブル」「Burn.-バーン-」「チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)」など。「傘をもたない蟻たちは」はテレビドラマ化もされています。アイドルと作家の本格的な両立は、知的でとても素敵ですね。
今回の長編小説「オルタネート」は、2020年11月19日に新潮社から発売されています。青春を描いた作品で、3年ぶりとなる渾身の作でおすすめです。
受賞の結果にかかわらず、直木賞候補にノミネートされただけでも、とても名誉のあるすばらしい実績と言えますね。
公式サイト:https://www.shinchosha.co.jp/alternate/