夏井いつきが、俳句ブームを巻き起こしていると言っても過言ではないでしょう。TBS系列のバラエティ番組「プレバト!!」において、俳句の才能査定ランキングという人気コーナーで、歯に衣着せぬ辛口コメントの魅力的な先生として一躍有名になりました。
俳句を広めるために活動を続ける人気俳人・夏井いつきについて、紐解いてみましょう。
夏井いつきの俳句との出会い
「夏井いつき」は俳号で、本名は加根伊月(かねいつき)、旧姓は家藤(いえふじ)です。1957年5月13日生まれの63歳、愛媛県南宇和郡の出身です。
かつてはバレーボール部でキャプテンを務める、体育会系女子でした。宇和島東高校から京都女子大学文学部に進学、1980年に卒業後愛媛県に戻り、中学校の国語教師として教壇に立ちます。
俳句を嗜むようになったのは、教職に就いてからです。飲み会の幹事で席順を決めるくじに俳句を用いました。学校での出来事などを俳句にし、引いた俳句で席を決める趣向を凝らして好評でした。その後歳時記に魅了され、最初は独学で俳句を学び始めます。
25歳で教師仲間と結婚しますが、姑の介護と二人の子育てのために30歳で退職し、俳人として生きる道を選択。その後実母の介護も重なり、43歳で離婚するなど、波乱の人生を送ります。ちなみに俳号にしている「夏井」は、最初に結婚した際の姓だそうです。
公式サイト:https://www.natsui-company.com/
俳都松山の俳人として
独学で始めた俳句も、俳人・黒田杏子の本に出会ってから師と仰ぎ、さらに精進しました。俳人として経験を積み重ね、40歳の時に俳句仲間で「いつき組」を結成し組長になり、俳句教室の「句会ライブ」を全国各地で開催。
介護・子育て・離婚、さらに俳人として生計を立てるのにも大変な苦労をしました。苦しいこと全てが俳句の種になると思い、乗り越えたのです。
毎年松山市で開催される高校生の俳句甲子園に携わり、市内に設置され誰でも投函できる「俳句ポスト365」の選者としても活動中。現在は俳都松山大使にも就任しています。
何といっても「プレバト!!」出演の影響は大きく、人気俳人として忙しい日々です。2018年NHK紅白歌合戦の審査員としても選出され、現在の活躍は喜ばしいことですね。
YouTube開設
YouTubeで「夏井いつき俳句チャンネル」を4月に開設しました。夏井&カンパニーという会社で、一緒に活動している俳人の家藤正人と出演。なんと息子なのです。
この会社の代表取締役が、現在の夫の加根光夫です。博報堂関西支社に勤め、「マロニーちゃん」のCMなどを手がけたCMプロデューサー。
仕事関係で知り合い、49歳の時に再婚するも大阪と愛媛の8年間。定年を待って一緒に暮らせるようになり、会社を設立しました。
この頃に「プレバト!!」も始まり、知名度も飛躍的に上がり、人生が大きく変わりました。夫との出会いと夫による献身的なサポートも、人生においてとても大きかったことでしょう。
YouTube開設においても、元CMプロデューサーとしてのサポートは心強いですね。とても苦労した時期を乗り越えて、現在楽しく俳句の種をまき続け、芽吹き始めています。