
公開日 2026年2月20日 最終更新日 2026年2月20日
「サンキューピッチ」の5巻が間もなく発売される予定です。本作は、致命的な故障を抱えた天才投手が「1日3球限定」という極限の制約の中で、知略をもって強豪校をなぎ倒していく異色の頭脳派野球マンガです。
天才投手の主人公と、彼を駒として操る軍師が、常識外れの戦略で甲子園への切符を掴もうとする姿は、まさに新時代のスポーツ漫画といえるでしょう。では今回は、「サンキューピッチ」の5巻の展開から作品の深いストーリー、そして読者を虜にする魅力まで詳しくご紹介していきましょう。
確率とロジックで勝負に挑め!
「サンキューピッチ」の5巻は、2026年3月4日(水)に発売される予定です。本巻では、激戦区・神奈川県大会がいよいよ佳境に入ります。
弱小校である県立波際高校が快進撃を続ける中、対戦相手はついにデータとジンクスを完璧に使いこなす強豪校へ。一球一球が重すぎる重圧の中で、導き出された「勝率100%の最適解」とは何なのでしょうか。
野球のルールをハックするかのような、スリリングな心理戦が描かれます。「サンキューピッチ」は、住吉九先生によるコミック作品です。
集英社が運営するWebコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて、2024年9月より連載されています。「次にくるマンガ大賞 2025」Webマンガ部門で第1位を受賞して殿堂入りを果たし、「このマンガがすごい! 2026」オトコ編では第3位を受賞しています。
「サンキューピッチ」のストーリー
物語は、かつて中学野球界を震撼させた天才投手・桐山(きりやま)が、ある理由から野球を辞め、「野球部狩り」という謎の行動を取っているところから始まります。
彼は、夜の公園で野球部員に3球勝負を挑み、圧倒的な球威で絶望を与えるという奇行を繰り返していました。そこに目をつけたのが、波際高校野球部主将の小堀(こぼり)です。
小堀は、桐山が肘の故障で「全力投球は1日3球が限界」であることを看破。しかし、絶望するどころか「その3球があれば、このチームは勝てる」と確信し、桐山を強引に勧誘します。
波際高校は、実力的には地区大会1回戦負けレベルの弱小校。エースの三馬は実力こそあるものの、極度のプレッシャーに弱く、大事な場面で自滅してしまう「ガラスのメンタル」の持ち主です。
小堀は、この「計算できないエース」を序盤から中盤まで引っ張らせ、試合の最も重要な局面である打者一人あるいはアウト一つで勝敗が決まる瞬間に、桐山の「伝説の3球」を投入するという、ギャンブルに近い戦略を組み立てます。
しかし、これは単なる精神論ではありません。小堀は心理学や統計学、更には相手打者の人生背景まで調べ上げ、たった3球で相手の戦意を喪失させる「最短ルート」を常に探り続けます。
弱者が知恵を絞り、強者のプライドと計算を粉砕していく下克上の物語。それが「サンキューピッチ」の骨太なストーリーラインです。
本作の魅力について
本作の最大の魅力は、住吉先生の前作「ハイパーインフレーション」でも見られた、限定されたリソースを限界まで使い倒すという部分にあります。
普通の野球漫画なら、主人公は完投を目指し、苦しみながらも投げ抜きます。しかし、桐山にはそれが許されません。「ここで投げれば、次は投げられない」「この1球を外せば、チームの夏が終わる」という圧倒的なリミットが、読者にスポーツ漫画以上のサスペンスを与えます。
たった1球投げるだけで、読者が息をするのを忘れるほどの緊張感を生み出せる設定は、野球マンガ史上でも類を見ません。また、登場人物たちが、どこか人間離れした執着を持っているのも魅力です。
小堀が持つのは、勝利のためなら味方のトラウマさえも利用するという非情さです。しかしその根底には、誰よりも強い「勝ちたい」という純粋な欲望があります。
そして桐山は、自分の腕が壊れることを理解しながらも、マウンドで放つ3球にのみ自分の存在意義を見出す、ある種の虚無感と熱情を持ち合わせています。彼らの剥き出しの感情が、小難しいロジックに「熱」を吹き込んでいるともいえるでしょう。
伝説の3球はいつ火を吹くか?
「サンキューピッチ」は、野球マンガの新しい地平を切り拓いている作品です。次巻5巻では、更なる強敵が現れる予兆とともに、桐山の右腕の状態に新たな変化が訪れる様子が示唆されます。
「3球」というリミットが更に削られるのか、それとも新たな武器を手に入れるのか。1球がミットに突き刺さる音を聞くたびに、野球というゲームの真の奥深さを知ることになるでしょう。伝説の3球が、次にいつ、誰の心を打ち砕くのか、今後の展開からも目が離せません。
集英社「サンキューピッチ」公式ページ:https://shonenjumpplus.com/episode/17106567254627463963
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