「おうちにかえろう」は、集英社・りぼんにて連載中の香純裕子の最新作です。京都出身の香純先生が描く京都が舞台の物語は、前作「古屋先生は杏ちゃんのモノ」に引き続き、読みごたえがあってフレッシュ。
今回はそんな「おうちにかえろう」のあらすじや登場人物について、魅力的なポイントを詳しくお伝えしていきますね。
「おうちにかえろう」のあらすじ
主人公・月島芽衣(つきしまめい)は、春から高校一年生になるという15歳。優しい両親に背中を押され、時に心配もされながら、上京することを決めました。
彼女は住み込みで現役作家のお手伝いをやることになったのです。その作家というのは、史上最年少で直木賞を受賞した天才作家・橘伊織(たちばないおり)。
とても美しい女性で、現在20歳だといいます。芽衣はそんな橘先生の大ファンなのですが、ひょんなことからお手伝いさんを募集していると知り、思いきって応募したらなんと採用されました。
ドキドキしながら電車に乗り、東京駅を歩いて辿り着いた、デザイナーズマンションのごとく立派な建物。チャイムを鳴らして出迎えてくれたのは、ワイシャツの前が開いたままのミステリアスな男性でした。
そのうえ話によると、人気作家・橘伊織は女性ではなく、なんとその男性。伊織の姉・花音(かのん)が、伊織の代わりに雑誌などのメディアに出ているようなのです。
また、決して優しい性格とはいえない本物の「橘伊織」。芽衣の生活はこれから先どうなってしまうのでしょうか。
このコミックに興味を持つ人を分析!
「おうちにかえろう」の主人公・月島芽衣は、とにかく小説が大好きな文学少女。明るく前向きな性格が魅力的ですが、母親が再婚したのちに弟が生まれ、寂しい思いもたくさんしてきました。
そんな彼女にとって、唯一の救いであり味方であったのが「本」なのです。特に天才作家・橘伊織の小説をよく読んできたようなのですが、このたび橘先生のお手伝いをすることになりました。
しかしこれまで憧れの人であり「理想のお姉さん」であった橘伊織先生の姿が、正体を知って一気に崩れ去る結果に。心に響く素晴らしい小説を書く人がこんなにも冷たく、荒い言葉遣いなのかとがっかりしてしまいます。
「おうちにかえろう」は、物語を読んだり書いたりすることが好きな人、また「作家」という職業に憧れを抱いている人が読むことで、より楽しみやすいコミックですね。
クールで硬派なヒーロー。それでも徐々に優しさや愛情深さが垣間見られることを期待して読み進めていきましょう。伊織の飼い猫・漱石(そうせき)の無邪気な振る舞いも大きな癒しポイントになっています。
二人の心が通じ合うまで
「おうちにかえろう」の第1巻は、2021年10月25日(月)に発売されたばかり。職業系のラブコメディのようにも感じられますが、単行本の帯に書かれている意味深長な言葉もとても気になります。
第一印象では、お互いにあまり好感触ではなさそうな様子。ここから果たしてどのように恋へと展開していくのか、芽衣と伊織先生、そして姉の花音をぜひ見守っていきたいですよね。
S-MANGA 集英社 公式ページ:
https://www.s-manga.net/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-867641-8