森且行がSG(スーパーグレード)優勝を成し遂げました。彼は24年前まで、SMAPのメンバーとして脚光を浴びていたスーパーアイドルだったのです。
22歳でオートレーサーに転身した時には、大きな衝撃を受けた人はたくさんいたことでしょう。なぜオートレーサーになったのかなど、森且行について紐解いてみましょう。
SMAPとして8年間
森且行(もりかつゆき)は、1974年2月19日生まれの46歳(B型)、東京都足立区出身。中学生の時に1歳上の兄と共に履歴書を持参する熱意で、ジャニーズ事務所に入所します。
1987年にスケートボーイズのメンバー12人に入り、光GENJIのバックで踊るジャニーズJr.に。この中から6名に選ばれ、1988年にSMAPが誕生しました。森は14歳でSMAPのメンバーとなります。
人気絶頂期に入った頃、衝撃的なニュースがありました。森は1996年5月末にSMAPを脱退し、ジャニーズを退所するのです。約8年間SMAPとして活動し、アイドルからオートレーサーに22歳で転身する道を選択しました。
なぜオートレーサーになったのか
父と行ったオートレースでレーサーはかっこよく、子供の頃からの憧れでした。資格を得るには、170cm以下という身長制限があり諦めていました。
ところが、1996年から175cm以下に変更となり望みが出ました。満23歳以下という年齢制限も当時あり、森にとって最初で最後の夢を掴むチャンスだったのです。
候補生の募集は2年に1度、合格倍率が数十倍にもなる狭き門の難関試験です。SMAPメンバーや事務所スタッフには全く気付かれずに、試験に合格。
夢に向かって、1度きりのチャンスをひそかに努力して掴んだのでした。現在の身長は約178cm。当時175cm以下の制限クリアも微妙でした。
身体測定の試験に向けて、横になって寝ないようにし、重たいものを持つなどして175cm以下に留めるように必死だったというエピソードもあります。
史上最年長で悲願達成
訓練中の事故で大けがをしたため、養成所を遅れて卒業しますが、1997年のデビューレースで初勝利。そして1998年には、新人王決定戦でも1着でした。
アイドル出身として注目され、プレッシャーなど様々な苦難を乗り越えて、真摯な努力と実力で認められる存在になりました。その後も活躍を続け、2000年にS級初昇格。
約400人の選手中、48人しかなれないS級の一流オートレーサーになったのです。これまでGI制覇2回・GⅡ制覇3回を飾るも、SG(スーパーグレード)はまだ優勝できていませんでした。
5つあるSGの中でも日本選手権は、実力日本一決定戦として知られ、最高峰の権威ある大会です。2020年11月3日の第52回日本選手権で優勝。
SGを初制覇した史上最年長46歳の記録を打ち立て、最も欲しかった日本一のタイトル、悲願を達成したのです。
公式サイト:https://autorace.jp/player/mori/
元SMAPメンバーも祝福
24年間約束を果たすために努力を重ね続けた森に、勝利の女神が微笑んでくれました。オートレーサーに転身する際、「お互い日本一になる」と誓った約束を、ようやく果たせた喜びや安堵感はとても大きいものでした。元SMAPのメンバーからの祝福も嬉しかったことでしょう。