京都の観光地の中でも、季節を問わず人気が高い景勝地「嵐山・嵯峨野」。秋の紅葉シーズンは、多くの観光客でにぎわいます。
嵐山の「渡月橋」周辺や、嵯峨野の「竹林の小径」、世界文化遺産の「天龍寺」をはじめとする神社仏閣など、観光名所がたくさんあります。
紅葉を愉しむおすすめの観光スポット「保津峡」についてご紹介しましょう。
保津峡と保津川
嵐山から近く、四季それぞれの良さが堪能できる保津峡。保津峡は、嵐山の渡月橋が架かる大堰川の上流、愛宕山南側の峡谷です。
保津峡を流れる保津川は、古くは京に都が移される前から水運に利用されていたそうです。大阪城や伏見城・寺院など歴史的建物にも、丹波地方からの木材が保津川を運搬され使われました。
保津川の水運は、「歴史の道百選」(文化庁認定)に今年新たに選定されました。そのすばらしい景観から、明治時代に観光船の川下りが行われるようになり、今では「保津川下り」として知られています。
保津川下りの魅力
亀岡市の乗船場から京都市・嵐山の着船場までの約16kmに及ぶ保津川下りは、山間を縫うように進み、変化に富んでいて趣のある約1.5~2時間の船旅です。
緩やかに流れる箇所ではきれいな景色を眺め、船頭さんのユーモアあふれる軽妙で巧みなガイドぶりに和やかな雰囲気になります。
一方、急流の箇所では、岩と岩の間をすり抜けるように水しぶきを上げ、ちょっとしたスリル感も味わえます。3人の船頭さんの腕の見せどころでもあります。
息の合った3人の船頭さんが、各役割で操船する姿は凛々しくて素敵です。「竿さし」は船首で岩や川底に竿を突き方向を調整する役割、「櫂ひき」は櫂で水を漕ぐ動力役、「舵とり」は船尾で進路を操る文字通り舵とり役です。
緩やかな流れの途中で、役割を交代することもあります。終盤に近付いてくると、琴ヶ瀬茶屋の売店船が川下り船に横付けされ、みたらし団子やイカ焼き・おでん・飲み物などを購入できます。
紅葉を愛でながら、船上で美味しくいただく格別なひと時が過ぎると、嵐山への着船となります。船上から眺める保津峡・嵐山の絶景は、きっと心に残る思い出になるでしょう。
紅葉シーズン後の冬の季節12月9日からは、お座敷暖房船で楽しむことができます。
公式サイトhttps://www.hozugawakudari.jp/
保津峡を走るトロッコ列車も魅力
トロッコ嵯峨駅とトロッコ亀岡駅間を、ゆっくりと約25分間走る観光専用の嵯峨野トロッコ列車。可愛らしいトロッコ列車で秋の紅葉の中で風を感じられて、とても人気があります。
保津峡の絶景ポイントでは、さらにゆっくりとした速さで走り、写真を撮ったりできて十分に観光を楽しめます。
保津川下りをしている船と、よくお互いに手を振って通じ合う感じが心温まり素敵です。トロッコ列車と保津川下りを使って往復する、贅沢なプランがおすすめです。