足立美術館と言えば、庭園がとても有名です。アメリカの庭園専門誌で日本庭園ランキング1位に、2003年から16年連続輝いているのです。
フランスの旅行ガイド誌においても最高評価の三つ星を獲得しており、世界各国から訪れる観光客を魅了し続けています。年間60万人以上が来館する、足立美術館の魅力についてご紹介しましょう。
庭園は生きた美術品
足立美術館は、実業家の足立全康が生まれ育った地(島根県安来市)に1970年創設しました。開館当初の小さな芝生の庭園から、長い年数をかけて日本一と評価されるまでの庭園になりました。
「庭園もまた一幅の絵画である」という創設者の信念は今でも受け継がれ、窓枠から見える景色はまさに美術品です。手入れが行き届いた庭園と、季節や天候・光などの自然が織りなすさまは、生きた額絵であり生きた掛け軸なのです。
「枯山水庭」は借景である背景の山も美術館が管理し、庭園との調和を常に保つよう維持されています。「白砂青松庭」は、横山大観の名作「白沙青松」をイメージした庭園で、「鶴亀の滝」は大観の「那智乃瀧」をイメージして借景の中に作られたものです。
秋は色付いた借景と、庭園の紅葉に赤松の緑、白砂のコントラストがとても素敵です。冬は山陰の雪化粧が、水墨画のような庭園を演出してくれます。
四季それぞれの感動が味わえる美しい庭園は、7人の庭師が早朝から毎日欠かさず手入れを行う、地道な努力の結晶でもあります。
日本画の巨匠「横山大観」作品との出会い
若かりし日の足立全康は、偶然目にした日本画「蓬莱山」(横山大観作)に心奪われました。横山大観の作品をいつの日か所有したいという想いを抱き続け、裸一貫から始めた商いで実業家としての成功を収めたのです。
足立美術館は約120点もの横山大観作品を所蔵する、日本一の大観コレクションとも言われるまでになりました。庭園にも大観作品の世界観が多く取り入れられていて、大観に魅了された全康の情熱と想いがうかがい知れます。
足立美術館・特別展
横山大観以外にも名だたる巨匠の名作を約1500点所蔵し、四季に応じて展示品を楽しむことができます。所蔵する美術品は、庭園に負けず劣らずの一級品揃いで見応えがあります。
「秋季特別展」が11月30日まで開催されていて、特に屏風絵の「紅葉」(横山大観作)は圧巻の大作です。12月1日から2月29日までは「冬季特別展」が開催されます。
「美しいものに感動する心」を大切にし、多くの人に与えてあげたいと開館した創始者・足立全康の想いを感じることができるでしょう。
公式サイトhttps://www.adachi-museum.or.jp/
入館料:大人2,300円/大学生1,800円/高校生1,000円/小・中学生500円
開館時間:年中無休
(夏季4~9月)9:00~17:30、(冬季10~3月)9:00~17:00
アクセス:島根県安来市古川町320
電車の場合
JR安来駅よりバスにて約20分
(路線バス以外に、無料シャトルバスも約30分間隔の運行で便利です。)
お車の場合
山陰自動車道・安来インターチェンジより約10分
(無料駐車場完備:普通車400台・大型バス40台)