アメリカ生まれのパンダベイベイ。誕生したワシントンの国立動物園から、中国へお引越ししたニュースが話題になっています。
Bei-Bei(ベイベイ)は、アメリカ生まれのオスのジャイアントパンダです。新しいおうちへの期待と、仲間とお別れする気持ち。
少し複雑な思いで人生を出発したお話を、詳しくお伝えしていきましょう。
米中外交の一部でお引越し
アメリカのパンダベイベイが、なぜ中国へお引越しすることになったのか。
その理由は、米中関係パンダ外交の一部になっているためです。
ワシントンの国立動物園では、4歳になったら中国へ返すという取り決めがすでにしてあり、2019年アメリカのパンダベイベイが4歳になる年にお別れしなければなりません。
引越しは、プライベート機のボーイング777F型。このフライトは「パンダ・エクスプレス」と命名されました。移動は大好きな飼育係のスタッフたちも同行し、長旅が始まります。
フェデックスが用意した専用機にはパンダの図柄がペイントされ、移動中の食糧として竹を23キロ。安全を確保して、いよいよ出生の地であるアメリカを離れます。
日中関係を良好するために活躍したベイベイ
アメリカと中国の貿易摩擦で関係が悪化していた当時、ベイベイは米中の将来に明るい兆しをもたらしてくれます。
しかしパンダの繁殖年齢に達する6歳前には、中国のパンダ飼育プログラムのために返還しなければなりません。
中国には豊富に生育する竹や自然の山林が、パンダの繁殖には欠かせない環境になっています。パンダの数が減っている今の時代、種の存続のためにもアメリカを去らなければならない状況だったのです。
野生のパンダの数は、現在1800頭。国際自然連合はジャイアントパンダを危急種に指定し、ベイベイはもっと仲間を増やす大切な役目を持っているのです。
お別れは悲しいけれど未来は明るい!
ワシントンの国立動物園では、アメリカのパンダベイベイとのお別れイベントを開催しました。
各地からベイベイのファンが駆けつけ、生まれた時の動画を公開するなど、楽しいひと時を過ごすことができたようです。
園長のモンフォート氏が「ベイベイは私たちの家族」とコメントしていますが、これからベイベイは中国で活躍してくれること間違いなしでしょう。
自然の中で元気に過ごすベイベイ
2019年11月21日、中国の成都に無事到着したベイベイ。
アメリカではパンダの返還により、今後の米中貿易摩擦を危惧する声も聞かれますが、一番大切なのはベイベイが健康で幸せに暮らせる環境があること。
遠く離れた土地で仲間と一緒に生活するベイベイの姿は、何よりもファンにとっての安心材料になるでしょう。