公開日 2019年7月29日 最終更新日 2021年9月30日
約100年の時を経て、ブーム再来と言われる『講談』。そう言わしめる存在である救世主・スターが現れました。その名は神田松之丞(かんだまつのじょう)。
今最もチケットの入手が困難という講談師・神田松之丞についてご紹介しましょう。
講談とはどんなもの?
「講談」は日本の伝統芸能のひとつであり、話芸という共通点から「落語」と比較されることがよくあります。
「落語」は会話を主体として物語が構成され、お笑いの側面が強く、笑ってもらうことを主目的としている話芸です。
それに対し「講談」は歴史にちなんだ題目が多く、教養の側面も持っていて、軍記物・人物伝・武勇伝・政談・怪談などの物語を独特な調子で読み語る話芸です。
高座で釈台という小机を前にして座り、張り扇で釈台を叩いて、パパンと響く音とともに調子よく、メリハリのあるリズムで流暢に語るのが講談の特徴。
講談師のことを講釈師とも言います。「講釈師見てきたような嘘をつき」や「講釈師扇で嘘を叩き出し」などと古くから言うように、荒唐無稽な話であってもさも本当のことのように語る話芸にこそ、引き込まれる迫力や魅力があるのです。
講談界の救世主「神田松之丞」
講談は、江戸時代から明治時代にかけて全盛期で、庶民の娯楽としてとても人気がありました。様々な娯楽やメディアが生まれて普及するとともに、講談の人気は下降していきました。
近年では女性講談師が増えつつあるものの、男性講談師は将来的にいなくなってしまうのではないかと危惧されるほど、減少の一途をたどる状況。
しかし長い低迷状況のなか登場した救世主が、天才講談師「神田松之丞」なのです。まだ真打昇進前の二ツ目という地位(前座の次)ですが、独演会では数百人を集め、チケットが即日完売する超人気ぶりです。
最近ではテレビやラジオ・雑誌など、様々なメディアに引っ張りだこ。7月27日放送の「人志松本のすべらない話」(フジテレビ)に出演していました。
レギュラー放送として、テレビ番組では「松之丞カレンの反省だ!」(テレビ朝日)に毎週土曜日、ラジオ番組では「神田松之丞 問わず語りの松之丞」(TBSラジオ)に毎週金曜日、本人の冠番組として出演しています。
神田松之丞は、2020年2月11日に真打昇進するとともに、40年以上も空き名跡であった六代目神田伯山(かんだはくざん)を襲名すると、2019年4月に発表されました。
明治時代から約100年の時を経て、講談ブームが再来しています。その立役者、新進気鋭の天才講談師「神田松之丞・(2月に改め)神田伯山」の活躍に今後も大注目です。
<神田松之丞のプロフィール>
公式サイト https://www.matsunojo.com/
本名:古舘克彦
誕生日:1983年6月4日生
血液型:A型
出身地:東京都豊島区
所属:日本講談協会および落語芸術協会、神田派山陽一門
芸歴:武蔵大学経済学部を卒業後、三代目・神田松鯉に入門(2007年11月)
二ツ目に昇進(2012年6月)
「第35回浅草演芸大賞」新人賞受賞(2018年11月)
「平成30年度花形演芸大賞」金賞受賞(2019年3月)
その他、数々の賞を受賞
真打昇進、大名跡の六代目・神田伯山を襲名(2020年2月予定)